西国三十二番礼所 観音正寺

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    観音正寺は、標高433メートルの繖山山中に佇む、近江国随一の寺院で1400年前に聖徳太子により開創されました。寺伝には人魚にまつわる伝説が残ります。推古天皇の御代、近江国を遍歴していた聖徳太子は湖水から浮かび出てきた人魚と出会います。人魚は「私は前世漁師であり、殺生を業としていたため、このような姿になりました。繖山にお寺を建て、どうか私を成仏させてください」と懇願しました。太子はその願いを聞き入れみずから千手観音の像を刻み、堂塔を建立したとされます。 鎌倉・室町時代には、近江国守護職佐々木六角氏らの庇護を受けおおいに隆盛し、三十三の塔頭を擁したといわれています。ところが応仁・文明の乱以降、寺は兵乱に罹ったり、守備上の障害として移設されるなど、一転して苦難の路を辿ります。そして永禄11年(1568)織田信長により六角氏が滅ぼされたのちは、慶長11年(1606)に教林坊の僧、宗徳法橋の尽力で現在地に復興されるまで長らく荒廃することとなります。 明治期、彦根城の欅御殿を拝領して本堂としましたが、平成5年(1993)その本堂を焼失するという憂き目を見ることとなりました。平成16年ようやく新しい本堂が落慶しました。そして新たな御本尊は仏教の発祥地インドより特別に輸入した白檀で彫りました。観音正寺は古来より万事吉祥の縁結びの祈祷道場として、老若男女の尊崇を集め、四季を通じて景勝を楽しめる名刹であります。

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    インドの白檀で造られた千手観音

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